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Published: 2023-11-07 16:51:43 +0000 UTC; Views: 612; Favourites: 5; Downloads: 0
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Description
《代償性過剰発達》Compensatory Overdevelopment
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§「第一章 パーソナリティ障害とは何か」
『パーソナリティ障害 : いかに接し、どう克服するか』
「パーソナリティ障害の人が発達させる必死の適応戦略は、一風変わった、その人独特の認識やライフスタイルを生み出していく。この極端さは、別の見方をすれば、すぐれて「個性的」だと捉えることもできる。パーソナリティ障害の人は、幼い頃から抱えている生きづらさを必死に補おうとして、特別の能力を身につけ、磨きをかけていく。ハンディを持つがゆえの、代償性過剰発達が起こりやすいのである。それが、適材適所のチャンスに恵まれれば、一つの才能として開花することもある。」
(出典: 岡田尊司 (2004年) 「優れた点も」, 「第一章 パーソナリティ障害とは何か」, 『パーソナリティ障害 : いかに接し、どう克服するか』, PHP新書, PHP研究所, 38~39ページ.)
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§「第12章 二〇〇〇曲のオペラ : 音楽サヴァン症候群」,
「第2部 さまざまな音楽の才能」,
『音楽嗜好症(ミュージコフィリア) : 脳神経科医と音楽に憑かれた人々』
「特定の能力が高まる一方で、ほかの能力には障害や発達不全があるというのが、サヴァン症候群の特徴──まさに決定的な特徴──である。〔中略〕
胎児や乳幼児の左脳半球は機能が(そしておそらく免疫も)未熟なので、ふつうは損傷に弱く、ゲシュウィンドとガラバーダの仮説のとおり、そこに損傷が生じると、右脳半球の代償的過剰発達、すなわちニューロンの移動によって可能となる事実上の肥大が起こるかもしれない。これが正常な流れを逆転させ、ふつうは左脳半球が優位になるところが、変則的に右脳半球が優位になる場合がある。
〔中略〕
クライヴ・ウェアリングは、ヘルペス脳炎に感染して、とくに左の前頭側頭域が冒され、ひどい記憶障害に襲われたのに加えて、サヴァンのような高速の計算力と語呂合わせの能力を示すようになった。
〔中略〕
サヴァンは「内観では利用できない下層の情報にアクセスできる特権をもっている」という。
〔中略〕
さまざまな病状──前頭側頭認知症、優位半球の脳卒中、頭のけがや感染症──がサヴァンに似た能力の発現につながる場合がある〔中略〕
〔中略〕そのような潜在能力の存在は、かつては適応的な価値があった知覚や認識が、今ではほかの形のものに抑制され、取って代わられているのだと、進化および発達の観点から理解するしかない。
〔中略〕サヴァンはみな何年もかけて、ときに取りつかれたように、ときに特殊な才能を発揮することの喜びに突き動かされて、自分の能力を伸ばしたり磨いたりしている。〔中略〕サヴァンであることは、たとえその土台がたった一つのメカニズムや能力であっても、一つの生き方であり、一つのまとまった人格なのだ。」
(出典: オリヴァー・サックス [著者], 大田直子 [翻訳], (2014年), 「第12章 二〇〇〇曲のオペラ : 音楽サヴァン症候群」, 「第2部 さまざまな音楽の才能」, 『音楽嗜好症(ミュージコフィリア) : 脳神経科医と音楽に憑かれた人々』, ハヤカワ文庫 NF, 早川書房.)
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